大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和37(オ)733 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士野村均一、同大和田安春の上告理由について。

原判決は上告人の留置権の抗弁を排斥するにあたり、上告人の本件家屋の占有が

不法行為で始まつていることを理由としていることは判文上明らかである。しかし、

一方、一件記録によつて明らかなとおり、上告人の右占有は当初から不法行為に外

ならないものであることは、第一審以来被上告人の強く主張しているところである

から、被上告人において右不法行為が過失に基づくものであることを、特に主張し

ないからといつて、これをもつて原判決が弁論主義に反する判断をしたものという

ことはできない(元来、裁判所は当該行為が不法行為であると判断する場合に、そ

れが故意に因るか或は過失に基づくものであるかを当事者をして主張させなければ

ならない筋合があるわけのものではない)。それ故、所論は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 朔 郎

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